お時間限定大特価でーす! の巻

 

 私の仕事場のとなりには、雨の日も晴れの日も、たとえカエルがふってこようとも、朝から晩まで「大特価」を唱う 薬屋がある。

 最近は ドラッグストアともいうこの薬屋、その大特価ぶりは半端ではなく、店内チラシやPOPはもちろんのこと、大特価オリジナルソングまであるのだ。

「お時間限定大特価でーす」という歌詞の”大特価でーす”の部分にあわせて、店員は大合唱するシステムになっている。

この店員たちはあまり気にしてないのか、開き直っているのか、ひじょーにそれを無邪気に唱う。

あまりに無邪気に唱うものだから なんとなく涙も出そうになる。

本来仕事はこれくらい楽しくなければいけないなあと、自分の仕事や、果ては人生までも振りかえることができるのだ。

 そんな店の努力あってか、街のあちこちではよく、「大特価のお店いこうか」という会話が聞こえる。

いいではないか、店の名前なんて。

ダンディ坂野も”ゲッツ! の人”で意味が通じるように、要は親しまれればいいのだ。

値段はそこまで大特価とはいえなくても、いったい何時から何時までが大特価なのかわからなくても、今日も 響いてゆくのだ。

「お時間限定大特価でーす!」

'03 8/7