わが家の森 の巻

 私の福島の実家には「森」がある。

 森があるというと、門から玄関まで爺やが車で送り迎えをするくらいの広大な敷地をもつ屋敷を想像するが、家自体は築40年近くもたつ、母がいうところの「ずっこけた」建物であり、庭だって、あることはあるが、10歩もあるけば端っこについてしまう狭っちいものだ。また、いくら私が歌うたいだからといって、それは、森昌子や森進一のたぐいでもない。

 ではどんな「森」なのか?それは、愛犬ポポが創りだした、正式名称「うんちの森」なのである。散歩に連れていってもらえない日にポポが用を足すひみつの花園なのだ。

 場所は庭の奥にある、今はもう乗ることのできない、じいちゃんの車が置いてあるくもの巣だらけの車庫を抜けたとこにある、三畳ほどの裏庭にあると思われる。

「あると思われる」と書いたのは、ここ10年くらい誰も足を踏み入れたことがないために、今ではそれがどれほどの面積を有しているのか見当もつかないからである。

ただ、10年前にその森を姉が発見した時、彼女が語った状況によると「うんちがそりゃあモリモリあった」そうだから、それから10年たった今日では、ちょっとした登山もできる山にでもなっているかもしれない。

 どんな植物が生え、どんな動物が生息しているのだろう…?

不老不死の薬になる葉っぱや、花の子ルンルンが探していた魔法の花くらい軽くあるかもしれぬ。ユニコーンはいるだろうか?森進一ではなく、森山良子がいるかもしれない。そうだとしたら夜な夜な童謡などが聞こえてくるはずである。ハリーポッターもびっくりだ。

 とにかく、わが家の奥地に広がる「うんちの森」の現状を知っているのは、いつだってものすごく爽快な顔で森から戻ってくるポポだけなのであった。

 この先、この森は地球環境にどのような影響を与えるのか、誰も知るよしもないのであるが。いや、しかし、まじで誰かそろそろ掃除したほうがいいのだが…。

車庫のそばまで行ってもまったく悪臭がしないのが逆に怖いところではあるが…

'03 2/6