ボストン行きチケット の巻

 今日、テレビでアメリカのボストンの映像が流れていた。

ボストンといえば、私が留学していた時に一度だけ訪れた時があるが、静かでとても上品な街であったことを記憶している。

そういえば、同じ留学生だった日本人の友人から、ボストンに行くのに大変な思いをしたという話を聞いたことがある。
 

私が住んでいたニューヨークからボストンまでは、「アムトラック」という鉄道か、ビリージョエルの歌の詞にもでてくる「グレイハウンド」という長距離バスを使って行くのが一般的である。そのグレイハウンドのチケットカウンターでの出来事だ。

 当時、私の友人はまだ留学したてで、あまり英語を話せなかった。それでボストン行きのチケットを買うのになんと言っていいかすごく迷っていた。

 とりあえず、最後にプリーズをくっつければ通じるだろうかと友人は思ったのだが、この場合、「ボストンプリーズ」と言ったら、「ボストンを下さい」と言っているようで、なんだか金歯が光る太った大金持ちが、ボストンの偉い人に向かって、葉巻きをふかしながら、札束を投げながら言うような、ボストン全部を買っちゃうような、とっても大胆な買い物に思えたので止めた。(ちなみにボストンは、ボストンの偉い人にお金を貢いでも手には入りません。多分)

せめてここは「ボストン行きのチケットプリーズ」と言いたいもんだと、友人は思った。

「ボストンまでっていうのは…… to だったっけかな? それとも for だったっけかな?」

迷った友人はとりあえずカウンターのお兄ちゃんに言ってみた。

トゥー ボストン プリーズ」

すると、カウンターの奥からボストン行きのチケットが2枚出るではないか。友人は間違ったと思い、慌てて今度はこう言い直した。

フォー ボストン プリーズ」

すると今度はカウンターから4枚のボストン行きチケットが出てきたのだ。非常に困った友人は、その場に立ち尽くしたまま、必死で考えた。

「えーと、エート……」

すると今度は8枚のチケットが出て来たそうである。

……いやいや、…ホントだってば! …いやいや 

……私の事じゃないってば!!

 

'01 8/18